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- きど皮ふ科
- 毛の構造と毛周期
医療脱毛について
毛の構造
毛の構造を大きく分けると、皮膚よりも出ている部分の「毛幹」、皮膚の中にある見えない部分の「毛根」に分けられます。
毛根の一番下の部分は球状にふくらんでいるので「毛球」といい、この毛球の中の「毛母細胞」が活発に細胞分裂を繰り返し、毛を成長させていきます。
この「毛母細胞」に栄養を届けるのが毛球の先端のくぼんだ所にある「毛乳頭」で、毛を成長させる栄養分を運ぶための毛細血管が多く存在しています。「毛乳頭」は毛の発生や成長の根源となる部分で、毛細血管が運んでくる栄養分を取り込んで、隣接する毛球内部にある「毛母細胞」に送ります。
この毛乳頭を破壊しない限りは、毛を抜いても再び生えてきてしまいます。

毛周期
毛は「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルを繰り返しており、これを「毛周期」といい、発毛と脱毛を繰り返しています。
サイクル | 特徴 |
---|---|
成長期 | 毛は毛球部にある毛母細胞の分裂から伸び始め、皮膚表面へと出ていきます。 成長期が進むにつれ毛はどんどん伸び、そして太くなります。 |
退行期 | 毛球が縮小して毛を成長させていた毛母細胞での細胞分裂が停止し、毛乳頭と毛母細胞の位置が離れていきます。 皮膚内に残った毛根は次第に押し上げられ、毛が抜けやすくなります。 |
休止期 | 毛と毛乳頭とが完全に離れて、自然に毛が抜け落ちます。 休止期に入ると毛乳頭部は玉のようになって皮膚の中で休んでしまいます。 |

毛周期に合わせた脱毛が必要です
レーザー光線を照射すると、毛根部分のメラニン色素に反応し、その熱によって毛を成長させる毛乳頭が破壊され、新たな毛が生えなくなります。
この毛乳頭を破壊するためには、「成長期」の毛にレーザー照射をする必要があります。「退行期」、「休止期」の毛にレーザー照射をしても脱毛効果は期待できません。
通常、私たちの目に見えているのは「成長期」と「退行期」の毛だけで 、皮膚の下には「休止期」の毛がたくさん隠れています。さらにレーザー照射で効果が期待できるのは、目に見えている毛のうち「成長期」の毛だけなので、1回で処理できるのは全体の一部でしかありません。
1回の施術で減る毛量は約2割とされ、次の施術のタイミングは、レーザー照射に十分反応しなかった毛が「退行期」、「休止期」を過ぎるのを待ち、「成長期」になってから行わなければなりません。
そのため、しっかりとした脱毛効果を得るためには、毛周期に合わせ約2カ月毎に施術を受けていただく必要があります。
ただし、個人差があり、毛質、毛量、部位によっては、1回でも毛が薄くなったり、生えてこない場合もあります。
サイクル | 特徴 |
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成長期 | ・毛が成長している時期 ・毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返し、毛を成長させていきます。 ・毛乳頭は毛に接して存在し、毛を成長させる栄養分を毛母細胞に運びます。 ⇒毛乳頭にダメージを与えやすく、レーザー照射に最適な状態 |
退行期 | ・毛の成長が止まっている時期 ・毛母細胞の分裂が終わります。 ・毛乳頭は毛から離れていき、萎縮していきます。 ⇒毛乳頭が毛から離れ萎縮しているため、レーザー照射に反応しない状態 |
休止期 | ・毛が抜け落ちる時期 ・毛乳頭が毛から完全に離れてしまっている。 ⇒毛乳頭が毛から完全に離れているため、レーザー照射に反応しない状態 |